こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
「パティシエになってそれだけて食べていくのは難しいですか？」
こんな疑問にサクッとお答えします。
1-1.実家から通う場合
1-2.引っ越しを伴い、1人暮らしの場合
では内容を見ていきましょう。
1.パティシエになって食べていくのは難しい？
「食べていく」という言葉の意味合いですが、
自分が得る給料の範囲で親などの助けを得ずに生活ができる。
そんな状態という事にします。
パティシエになると「実家通い」「一人暮らし」。
この2つですね。
「住み込み」は今は殆ど無いハズですので除外します。
1-1.実家から通う場合
実家から通う場合は、食べていくのは容易です。
・食費
・家賃
・水光熱費
これがかからないからですね。
実家から通うことが可能な場合は、それが一番良いかなと思います。
月々の給料から貯金もできるでしょう。
1-2.引っ越しを伴い、1人暮らしの場合
これは大変かもしれません。
1つのラインは「手取り15万円」は必要です。
月給で言うと、総支給で18万円くらいです。
家賃は月額管理費込みで5万円までにすれば生活はデキルはずです。
「社会保険なし」「総支給15万」
こういう所に行ってしまうと生活に困窮します。
食べていくのが難しくなるラインです。
社会保険への加入
月給18万円前後
コレくらいが最低ラインです。
まぁでも最近は、パティシエで食べていくのが難しいみたいな人は減っているはずです。
私達、事業者も大分改善してきていますから。
2.最近は、多くの職場で各種の改善が進んできている
時代の流れで色々な変化が起きています。
その為、パティシエが働く環境というのはどんどん改善が進んでいます。
どんな変化か？
言葉の意味はわからなくて良いです。
ササッといきます。
・少子高齢化
・働き方改革
・インターネットの普及
・SNSの普及
・機械・設備の技術革新
などなどです。
最近は、ウェディングケーキを作りたくてホテルに行ったのに、実は外注で対応しててそのホテルで作っていない・・・
なんてことは普通にあります。
自社の商品を外注で対応する。
OEMといいますが、これは非常に増えています。
そうする事で、働く環境を改善したり、商品の安定供給体制を作ったりするわけです。
3.パティシエが働く環境の改善は進んでいる
私のお店でもここ数年で色々と改善をしてきました。
分かりやすいのが自動包装機の導入です。
【before】
・手作業で、クッキーを詰める
・手作業でシール作業
・手作業で裏のシール貼り
200枚あるとして、全ての工程を終えるには、人によってばらつきはありますが約60分です。
これが月間10,000枚でます。
すると、月間50時間かかる計算です。
月間3,000分です。
↓
↓
↓
↓
【after】
・自動包装機
・サーマルプリンター
を導入し、自動化
1時間1,500枚対応
月間10,000枚
↓
月間400分
6時間20分
月間50時間、年間にすると600時間かかっていた作業
↓
↓
機械化することで
↓
↓
月間6時間20分（2,600分）で対応可能に。
月間▲43時間40分の削減
機械化で年間80時間で対応可能に。
年間▲520時間の削減
これ位、変わります。
これが1種類のサブレの場合です。
他にも何種類も焼菓子はあります。
尋常ではない位の生産性が向上しています。
4.とはいえ、本当に稼げるようになるのは一握りなのも現実
総支給1８万円で、ムリの無い労働環境の職場は探せば普通に見つかります。
ただ「最低限、1人での生活には困らない」というレベルです。
本当に稼げるようになるのは一握りなのも現実です。
年収400万円を超えるようになるパティシエはまだまだ少数派です。
年収1,000万円とかを目指すなら、雇われではかなり狭き門です。
外資のホテル勤務とかですね。
5.まとめ
・パティシエで食べていく事は可能
・月給1８万～だと1人での生活は可能
しかし、充分な余裕はない。
・社会保険加入
・総支給18万円以上
このあたりが最低ライン
・働く環境の改善は以前よりかなり進んできている
パティシエで食べていくことはできます。
あとは「程度の問題」です。
どの程度まであなたが稼げるパティシエになるか？
です。
という事で参考になると嬉しく思います。
それでは！
