» パティシエの労働条件についての考え方
 » パティシエの労働条件についての考え方

現役洋菓子店経営者だからわかる
パティシエに役立つリアルな情報をお届けします。

パティシエとしての技術・キャリア・経営・心構え

パティシエの労働条件についての考え方

パティシエの労働条件についての考え方

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

今回は、『パティシエの労働条件についての考え方』について私の考えをお伝えしていこうと思います。

世の中一般に言われている考え方とは違う視点だと思いますので参考にして頂けると嬉しいです。

 

 

パティシエは労働条件悪い??

 パティシエは労働時間は長いし、給料は安いし、社会保険すら出ない所もあるし・・
(特に、個人店は・・・)

 

と余り良くないイメージを持っている方や、

 

「もうしょうがない」

 

と半ば、諦めムードの方もいると思います。

そうですよね。本当に大変だと思います。

 

こうなってしまっている原因は、大きく2点あると私は考えます。

 

原因①オーナー・経営者の問題

多くのお店では、シェフパティシエ=オーナーというお店が多いですよね。

 

オーナーは「職人」

 

だから、労働条件をどう良くしていくか?

という所に中々、意識を向けて時間を割いて努力していくという事になりにくいのが現状だと思います。

 

ただでさえ、オーナーシェフは様々な業務があり、とても忙しいです。
労働条件などにまで意識を向ける余裕がオーナー自身に無いという事が原因の1点目だと考えます。

 

原因②パティシエ自身の努力

「いやいやいや、朝から晩まで頑張ってるし!」

と、言われてしまいそうですが、、

長時間、毎日努力している方は素晴らしいです。

 

ただ、、以下の事、考えてみた事ありますか?

 

「自分が働く事で、お店の売上はいくら上がり、お店の利益はどの程度出せているのか?」

 

例えば、月給20万円のパティシエ1人を雇い、社会保険料を支払い、会社にも一定の利益を出し、ていくには、1000万円位の年商は必要でしょう。

 

1000万円を、月で割ると大体80万円くらいです。

24営業日だとすると、日商34000円位。

ケーキ1個500円だとすると、1日何個売れないといけないでしょうか?

 

68個

 

これ位の商品をあなた自身が一から仕込みをし、商品に仕上げて、かつ「売れて」、「お客様から支持を頂く」状態になって初めて、「堂々と20万円を受け取る」という事が出来るようになります。

 

「パティシエの努力」とは、上記で言う、「毎日68個分のケーキをあなたが創り、販売して売上を得る努力」

という事です。

 

初歩的なお話ですが、意外とパティシエの方はこういう話を聞いた事が無い方が多いようなのでお伝えしてみました。

 

じゃぁ、どうしたらいいの?

 

では、これを踏まえて、何をどのように努力していけば良いでしょうか?

色々とありますが、2つお伝えしたいと思います。

 

処方箋①対オーナー

オーナーに以下の質問をしてみて下さい。

 

「パティシエって労働条件悪いってよく言われますけど、〇〇〇(あなたのお店名)では、良くしていく為の  取り組みって何かやっているのでしょうか?」

 

これで、あなたのお店のオーナーがどの程度、真面目に労働条件改善を考えているかわかると思います。

その考えにどうしても賛同できなければ、働くお店を変えるしかないですね。

 

最近は、労働条件改善を真面目に考えるお店多くなってきているようです。
(ちなみに、私もそうです。)

 

処方箋②あなた自身の努力

『まず、あなた自身がお店にとって、不可欠な存在になる事に注力すること』

これに尽きます。

 

あなたがいる事で、お店の売上が大きく上がり、お客様から支持を得る事が出来る状態をいかに早く創り出すか?

ここにとにかく1点集中し、努力を続けてみましょう。

 

それでも何も改善が見られない場合は、オーナーとの相性や、考えの相違があるという事です。

その時点では、もうあなたはとっても価値の高い人材になっているはずです。

選択肢はいくらでもあります。

 

あなたを必要としているお店、働く環境はいくらでもあると思います。

 

まとめ

パティシエ業界は、働く場所、お店、オーナーによって、考え方や環境が全く異なります。もう本当に「別世界」な位、変わります。

だから、あなた自身が努力するという事だけでは解決できない場合も多くあると思います。

 

対オーナー

対自分

 

という2つの軸から、何事も考える必要が出てくる業界です。

是非、あなた自身の労働条件改善の為に、参考にしてみて下さい。

関連記事

おススメの記事