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街のケーキ屋が見習うべき洋菓子店の経営哲学とは?「たねや」から学ぶ!!

街のケーキ屋が見習うべき洋菓子店の経営哲学とは?「たねや」から学ぶ!!

こんにちは、伊東です。

2019年は洋菓子店の倒産件数が過去最高だったそうです。

 

 

過去記事

洋菓子店・パティスリーの倒産が増加している事について経営者として考えること

 

以前の記事でも解説していますが「変化への対応が不可欠」ということです。

 

残念ながら、街の洋菓子店が減ること。

その傾向は今後も続くことと思います。

 

そのような中、私達のような街のケーキ屋・洋菓子店は何を指針に経営をしていけば良いのか?

大いに参考になる内容の本があります。

 

たねやグループの社長が書いた「近江商人の哲学」です。


こんな方は「必読」です。

 

・洋菓子店の経営者

・独立を目指すパティシエ

 

今回は私が特に感銘を受け、もう既に実践済みだったりする事についても解説していきます。

ちょっと「たねや信者」みたいになってきています(笑)

 

洋菓子店の経営の真髄みたいなものを教えてくれる本でした。

 

本記事の内容

1.「たねや」の思想はものすごく本質的

2.社長は会社の売上にほとんど興味がない?

3.自信のあるものだけで勝負する。22品目→3品目に絞って大成功。

4.手作業の方がまずくなる?

5.近江商人「三方良し」・・近江八幡は自分の家やと思え

6.ラコリーナのシンボルキャラクターがなぜ「アリ」か?

7.たねやのブランド戦略とは?

8.事例:私自身が実践していること

9.まとめ

 

では内容をみていきます。

 

1.「たねや」の思想はものすごく本質的

この本では私のような洋菓子店経営者に自分のあり方を問う本質的なことをどんどん投げかけてくれています。

これから紹介していきます。

 

ぜひ「自分と比較してどうか?」を考えながら読んでみて下さい。

 

「お客様のことを考えろ!

数字はあとからついてくる。」

 

そしてこの根底にはこのような考え方があるそうです。

 

・先義後利(せんぎこうり)

→目先の利益を追うのではなく、まずは相手が喜ぶことを考える。

 

・細く長くであっても、組織が永続することを優先する。

 

・ビジネス相手だけでなく、それ以外の人々(世間)の利益も考える

 

・生まれ育った地域に還元する

 

・本社は地元から動かさない

 

ものすごく「本質」だなと私は感じます。

 

もう自分自身がいかに小さい器かが良くわかり、すこし切なくなる位です。。

 

でも、学ぶ所は多いにあると私は思いますがどう感じますか?

 

2.社長は会社の売上にほとんど興味がない?

社員につねづねこう伝えているそうです。

 

「数字ばっかり見るな。

お客様を喜ばせることだけ考える。

お客様の顔だけ見てれば、数字はあとからついてくる。」

 

それで年商は200億を超えています。

 

商いの基本はそこにあるというのが代々伝わる教えとのことです。

創業1872年ですから本当に代々伝わっているのだと思います。

 

3.自信のあるものだけで勝負する。22品目→3品目に絞って大成功。

大津西武店を出店した時に学んだそうです。

初のデパート出店という事で当時のフルアイテムである22品目を並べたそうです。

 

しかし売れない日々が続く。

 

3年たち「いよいよ撤退しないといけない。。」

 

となって売れない商品を徐々にショーケースから下げていったそうです。

そうするとなぜか売れ始めた。

 

最終的に3品だけに絞り込みをした所「黒字化を達成」

今でも続いているそうです。

 

4.手作業の方がまずくなる?

「手作り信仰」というか、手作業の方がおいしという思い込みって何となくありますよね。

 

でも機械の方が圧倒的に美味しくお菓子づくりができる場合も多いという事です。

 

・包餡というあんこを生地で包む作業

→手作業だと手で触るほどにまずくなる

 

・バームクーヘンは実は工場でカットしてすぐ包装する方が日持ちはする

 

・無菌状態で作る水羊羹は熱を加える必要がなくなるので飛躍的においしくなる

 

栗饅頭を作る機械も1日に100個も売れないような時代から1日に1,000個作れる機械を入れていたそうです。

 

洋菓子なんかでもそうですね。

生地を10mm厚にするような作業を手作業でやるとグルテンが出てマズくなります。

 

機械を使う方が良いです。

 

機械化はただの効率化だけではなく「美味しくする」為にも必要なことだと私も思います。

 

5.近江商人「三方良し」・・近江八幡は自分の家やと思え

三方よし

「売りてよし、買い手よし、世間よし」

 

江戸時代に近江商人が活躍していた時代に作られた言葉ではないのですが、後世の人がつけたキャッチフレーズのようなものらしいです。

詳しくは本を読んでほしいのですが、その中の「世間よし」ということについてです。

 

「近江八幡(市)は自分の家やと思え」

 

自分の家だと思うと、きれいにするのは当然です。

さらに、魅力的まのもにしていかないと自分の子供も孫も跡を継いでくれません。

 

事業の継続性にも問題が出てくる。

 

自分たち以外の人に魅力を感じてくれなければ、お客様もいなくなります。

 

だからこんな取組をしているそうです。

 

・八幡堀の清掃活動

 

・ラコリーナで年2回冊子を自分たちで編集し発行

→冒頭で近江八幡の土地のことを紹介

 

・地元の祭りの保存・継承

 

・町家の再利用を目的に町家バンクを始める

 

などなど多岐に渡ります

 

自分はここ芦屋の地で何ができているだろうか?????

 

・・・

 

ものすごく考えさせられました。

今年、何かしら取り組んでみようと思っています。

 

 

6.ラコリーナのシンボルキャラクターがなぜ「アリ」か?

お菓子屋なのにシンボルキャラクターが「アリ」です。

 

不思議ですよね。

こんな理由があるそうです。

 

アリは進化に成功した生き物。

昆虫の中でも圧倒的に中心的存在。

 

人類の歴史は700万年

昆虫の歴史は4億8000万年。

 

昆虫が100万種あるうち、1万1000種はアリです。

永続性にこだわるたねやグループにとって、人間より桁違いに長く繁栄しているアリは見習うべき存在である。

 

アリは高度な社会性を持っている。

1匹のリーダーが命令を下してそれに皆が従うのではなく、なんとなく列をなして進んだり、何となく協力してエサを運んだりする。

 

「群知能」というそうです。

 

1匹1匹は勝手に動いているというのに、全体でみると集団の利益にかなう行動になっている。

 

個々が考えて動く組織は強い。

だからアリをシンボルにしたそうです。

 

7.たねやのブランド戦略とは?

ブランド戦略についても解説がされています。

例えばパッケージについて。

 

それまでは、どら焼きにはどら焼きの箱、羊羹には羊羹専用の箱と商品ごとに目立つように工夫をしていたそうです。

しかし、これでは「たねや」というブランドが意識されない。

 

そこで以下のように変えたそうです。

 

・ブランドカラーは白を基調とする

 

・進物用は「たねや箱」という白い貼り箱で統一

・クラブハリエの商品は「クラブハリエ箱」に統一

→「白いから、たねややな」と直感的にわかるようにしたい。

 

・包装紙や会社で使う封筒は市松模様で統一

 

たねやというブランドを売るという発想になる

 

私達のような街の洋菓子店においても参考になる考え方です。

 

8.事例:私自身が実践していること

本は読んで終わりではありません。

 

「実践」することが大事です。

 

私自身、この本で学んで実践している事を解説します。

 

・お客様のことを第一に考える

・売上を意識しない

 

・お客様だけでなく取引先についてもWINを考える

→下手な値引き交渉はしない

 

・目先の利益よりも、お客様の利益をまず考える

 

・核となる商品は1つに絞る

 

・目先の利益の最大化ではなく、会社の存続を重要視する

 

・商品の品質が高まる設備投資・機械化は積極的に行う

 

・ブランドカラーはオレンジ・茶色にすえる

 

・従業員に「自立」を促す

 

完全にできているわけではありません。

 

今後1つ1つ実践をしていきたいと思っています。

 

9.まとめ

この本にかかれている事はとても本質的なことです。

 

サラッと著者は書いているのかもしれませんが、その1つ1つが本当に深く、学びが多いものです。

 

自分の小ささをイヤというほど、私は感じました。

 

先人に学ぶという事は本当に大事なことです。

 

私のような街の洋菓子店の経営者にとってもものすごく意義のある本でした。

 

参考になると嬉しく思います。

 

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