こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
先日ヤフーニュースでこんなのが出ていました。
盛大にオープンした洋菓子店が、数年経つと元の半数以下のスタッフ数で営業しているケースも珍しくなく、仕込みの手が足りないために空白が目立つショーケースもあちこちで見かけるようになった。
以前は稼ぎ頭であったホールケーキも、近年は予約制にして、より生産効率のよい焼き菓子に力を入れる店が増えている。
「新人が来ない」「続かない」「若手を叱れない」というオーナーの苦悩と、増加する個人洋菓子店の廃業。
深刻な人手不足問題の現状と、そこに立ち向かう洋菓子店の姿を追う。
https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakirie/20191216-00153601/
私自身もまさに「街の洋菓子店」のはしくれです。
さすがに無視できない記事内容でした。
しかし「経営者の目線」の記事は存在していませんでした。
そこで、「本質的な問題点」と「解決策」について解説します。
では見ていきます。
1.一番の問題は私達「洋菓子店の経営者」にある
ぶっちゃけてコレが一番の問題ではないでしょうか。
今回の記事からは「一言も」出てきませんが、
100%経営者に問題アリと言わざるを得ない状況ですね。
これは。うん。
「困難に立ち向かう街の洋菓子店オーナーたち・・」
みたいな「プロジェクトX」のような雰囲気ですが、、、
「問題は経営者でしょ!」と思います。
理由について以下で解説します。
2.なぜ「洋菓子店の経営者」が一番の問題なのか?
一般的にこう言われてますよね。
中小零細企業は会社の状態はほぼ100%が経営者の責任
当たり前のことを「今さら・・」という感じですが、
小さな洋菓子店の場合なんか特にそうです。
「お店の状態=経営者そのもの」
と言って間違いないと思います。
「新人が来ない」のも、
「続かない」のも、
「若者は何を考えてるかわからない」のも、
すべて経営者に問題があると私は思います。
コレを踏まえて洋菓子店の経営者が問題である理由を以下で解説していきます。
2-1.多くのお店の「経営者が職人」で「経営」が不足している
多くの方がパティシエになって何年も努力をされて独立を果たしお店を持ちます。
大変な努力を続けて、卓越した技術と精神力で自身のパティシエとしての能力を高めて独立までいけるだけでもパティシエの中でも上位1%以内の方ばかりだと思います。
私にはできない事なので本当に頭が下がります。
しかし、修行時代に「経営」を学ぶことはない
ここがつらい所です。
・採用
・教育
・運営
などは経営を学ぶ過程で必ず通る道です。
売上を上げていける経営者でないと従業員の労働環境の改善も簡単にはできません。
あとでも解説しますが「新人が来ない」「続かない」「若手を叱れない」など知識や経験が無い経営者だとそりゃどうしていいかわからないのは当然です。
本当に苦しいと思います。
2-2.「企業は環境適応業」という原則から外れている
景気
経済
働く環境
人口動態
価値観
時代とともに「変化」していきます。
ダーウィンの進化論でも解説されていますよね。
「環境の変化に適応したものだけが生き残る」
これは企業も同じと言われています。
洋菓子店もそうです。
経営者自らが変わり続ける必要がある
未だに暴力沙汰のあるお店もあったりします。
「今は昭和ですか?」
「もう令和の時代ですよ。いつの時代ですか?」
という感じです。
2-3.「他責」思考である限りはずっと問題解決はできない
「新人が来ない」
「最近の若者はすぐ辞める」
「若者は何を考えているかわからない」
「叱れない」
これすべて「最近の若者が悪い」と言っているように聞こえるのは私だけでしょうか?
いい年して「人のせい」ですか?
若輩者の私が言うのも何ですが、それでは経営者として失格ですよ。ホント。
・新人が来ない
→「行きたい」と思うようなお店作りしていますか?
→ 情報が行き届き、伝わる努力はしていますか?
・続かない
→採用方法の見直ししていますか?
→入社後に辞めたくならないような教育していますか?
→労働環境を改善・整備していますか?
→売上を上げて給料UP実現できていますか?
・何を考えているのかわからない
→思考停止していますよ。脳の老化です。
→まず相手を理解しようとする姿勢を持てているか?
→7つの習慣では「理解してから理解される」です。
・叱れない
→その人を否定するような物言いはしていませんか?
→アドラー心理学、マネジメントの勉強していますか?
→アンガーマネジメントの勉強をしていますか?
上記は一例です。
「経営者である自分に問題がある」と捉えれば改善策はいくらでもあるような気がします。
人のせいにしている限りは永遠に問題解決しません。
3.解決の方向性を3つ解説!
大きくは3つの方向性かなと考えています。
順番にサクッと解説します。
3-1. 経営者は大変だけど「経営」を徹底的に学び実践すべき
街の洋菓子店のオーナーは本当に忙しい日々を送っている方が多いと思います。
それでもやはり「努力」が必要と私は思います。
経営の勉強をする
勉強をし続ける
勉強したら即実行
実行したら即検証・即改善
大変な中とは思いますがこれしかありません。
お店の状態=経営者
経営者に逃げ場はありません。
3-2.「ゼロベース」で考える
ちょっとわかりづらいですかね。
例えばこんな思考です。
「洋菓子店ってパティシエ必要なのかな?」
「冬でもジェラート売れるのでは?」
「商品の種類は今の半分でも良いのでは?」
「広告費0円でどうにかならないかな?」
「実はこれ全部外注できるのでは?」
「日本で事業やらなくてもいいのでは?」
「新人でも月給30万くらいでいいのでは?」
慣習や常識に囚われない考え方ということです。
色々と活路が見えてくる部分、あるのではないでしょうか?
3-3. 変化を予測し対応する事を重視する
例えば「人手不足」。
こんなの何十年も前からわかっていた事ですよね?
人口動態について勉強していれば誰でもわかることです。
・人口動態
・経済予測
・世界経済
・業界の動向・予測
詳細なデータはググれば誰でも得ることが出来る時代です。
経営者がきちんと学ぶ。
そして学んだことを経営に活かす!
これが大事です。
4.具体例:解決の方向性3つをどう経営に活かすか?
私の例で恐縮ですが、例をあげます。
やってきていることをザッとあげます。
・この10年で700冊以上のビジネス書を読破
・4年で商品の種類を30%絞り込み、売上30%UP
→広告費1円もかけていません。
・単純作業は「外注」
→人手不足を予想して進めています。
・人手不足を予想し機械化を推進
→800万円ほど投資
→200枚/1hの作業が、1500枚/1hに。
・4年で社員の退職は1名のみ
・一部の社員給与を今期20%UP
・オフィシャルブログをきっかけに1名採用
(採用費0円)
・新卒・・は求人を出していません。。
→新卒は採用を辞めました。
・従業員は叱る必要がある時は叱ります。
→ただ理性的に。人格否定などは絶対にしません。
まだまだ至らない所ばかりですが、毎日努力をして改善を続けています。
とにかく「努力」あるのみです!
4.まとめ
・諸悪の根源は「洋菓子店の経営者」
・「職人」+「経営」が必要
・「企業は環境適応業」
・「他責」思考では永遠に問題解決しない
・「経営」を徹底的に学び実践する
・「ゼロベース」で考える
・「変化を予測し、対応する」
今回の記事で登場していたオーナーの方の悩み、苦しみ。。
よくわかります。
よく、、わかります。
「イラッ」としてしまうこと、多いと思います。
そして、とにかく忙しい。。
でも経営者が会社では最後の砦です。
逃げ場はありません。
どんなことも自分の責任と捉え、学び、改善をし続ける。
実行できたお店だけが今後生き残っていく時代だと思います。
この記事が誰かの役に立つと嬉しく思います。
それでは!