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パティシエとしての技術・キャリア・経営・心構え

パティシエの「理想」と「現実」とは?

パティシエの「理想」と「現実」とは?

今回は、パティシエの「理想」と「現実」についてです。

パティシエとして働いていると、ほぼ100%の方は
この事を考えるのではないでしょうか。

洋菓子店を経営して10年立ちますが、経営者として私なりに
考えている事をお伝えしたいと思います。

 

パティシエとして頑張っている方の背中を押すブログに出来ればと
思っています。

 

理想

パティシエとしての理想とは何でしょうか?

多くの方がイメージするのは、以下ではないでしょうか。

 

「自分の好きなお菓子作りに携わる事が出来て、作った
お菓子が売れていき、お客様から美味しかったよ!という声が
聞こえ、自分自身の成長と仕事としてのやりがいを感じる事」

 

毎日、お客様が喜ぶ顔をイメージし、好きなお菓子作りに向き合い
充実した時間を過ごしていく事。

毎日の積み重ねの先に、例えばスーシェフになったり、シェフになったり、
あるいは独立開業を目指そうと思ったりと、色々な未来が見えてくるのだと
思います。

 

現実は・・・

実際にパティシエとして働いているあなたはもうわかると
思いますが、「現実はそんなに甘くないよ」という声が聞こえてきそうです。

では、いくつか見ていきましょう。

 現実①労働環境

 

立ち仕事、長時間労働、低賃金。パティシエによくある環境の問題です。

決して、「楽」な仕事ではないと思います。肉体的にも、精神的にも。

 

 現実②仕事内容

 

理想は理想。現実は、洗い物をしたり、計量をしたり、リング掃除をしたり
ごみ捨てをしたり、床流しをしたり、苺をヘタ取りをひたすら行ったり・・

と自分が思い描いていたお菓子作りとは、程遠い環境の方も多いのでは
ないでしょうか。

「もっとお菓子作りに注力したいのに・・」

そう思う事もあるのではないでしょうか。

 

 現実③将来性

 「今のまま頑張って、将来どうなるんだろう・・」

という漠然とした不安を持つ方もいると思います。

給料は安いし、上がる気配はない。毎日雑用のような事をやり、
お菓子作りがいつになったら出来るようになるんだろう・・・

こんなに毎日朝から晩まで頑張って、体がきつい。長く続けていくのは
難しいのでは??

色々と悩む事、あると思います。

 

現実をどう捉えるべきか?

では、このような色々な現実に対し、どう捉え、どう向き合っていく
べきなのか?

私がお伝え出来る事は、一つです。

 

『今、あなたが時間を費やしている事に、

無駄な事はひとつも無い。

 

一つ一つに全力で一生懸命取り組む事が、
あなた自身を人間的にも

パティシエとしても成長させる事に繋がる。

 

だから、自分の描く、理想や未来を信じ、
一日一日を大切に
生きる事。』

 

 これは、私自身が様々な人から学び、私自身も実践する
事を心がけている事です。

 

現実を前向きに捉え、目の前の事に一生懸命になるという事。

そうする事で、自分自身の目指す未来を切り開いていく事が出来るという事です。

 

抽象的な事なので、例えばという事で当店のシェフの例をご紹介します。

 

ポッシュ・ドゥ・レーヴのシェフの場合

パティシエ時代は、個人店勤務を経て、東京のパレスホテルという
所に就職する事になりました。

色々な「理想」を持ち、パレスホテルに就職した事と思います。

しかし、「現実」は甘くはありません。

 

 『現実』の仕事

毎日毎日、何をしたか?

誰よりも早く出勤し、先輩や上司何十人分の

「朝ご飯の支度」

その後、食事後のお茶の準備」
コーヒーは、ブラックがいい、砂糖少な目がいい、
クリームは入れて欲しい等、一人一人好みが違います。

全員分の好みを覚え、全員分の準備をします。

 

その後、食器洗いをしているうちに、先輩方から、

  「地下3階に言って、粉(小麦粉等)もってきて」

と言われます。当時30kg/1袋 するようなものを、一日に
  何回も、地下3階と、4階を往復します。

 

ホテルですから、大量の洗い物が出ます。

洗い物に追われ、手は荒れ放題です。

 

今度は、「あれとってきて、これとってきて」と
原材料庫に一日に何度も
走らされます。

 

そうこうしていると、また洗い物です。

始発で出勤し、終電で帰宅する毎日。

最初の仕事はこんな感じだったそうです。

 

 皆さん、どう思いますか?

お菓子作り、全くしていないですよね?

でも、彼女はこんな毎日を全力で一生懸命に取り組みました。

そして、

 

1年立つ頃にはどうなっていたと思いますか?

 

 「シェフが不在の時はシェフに代わり、仕込み作業等の   

   お菓子作りを行う中心的人材になっていました。」

 

なぜでしょうか?

 

  『現実』に向き合う

一見、お菓子作りと全く関係ない仕事ばかりでした。

しかし、彼女はその現実に向き合い、全力で一生懸命毎日

努力を続けました。

 

   朝ご飯の支度 

 

「はぁ?」と思う事ですよね。
しかし、これはとても高度な仕事なんです。

一度に何十人もの食事を手際良く、効率的にこなす必要があります。

「効率よく仕事の段取りを考え、実行する能力が高まります。」

 

お茶の時間。1日に2回あったそうです。

何十人分の好みに合わせて用意する。

記憶力、効率よく用意する考え方、身に付きます。

 

食材庫に毎日何度も走りにいく

 

これで、どこにどの食材がどの程度あるか?すべて把握できます。
また彼女は食材庫を誰に言われたわけでもないのですが、整理整頓をし、
他の人が見た時でも、一目瞭然で食材の位置や、在庫量がわかるように
していたそうです。

 

 

大量の洗い物

お皿についたソース等を味見をし、舌で覚えていったそうです。

仕込みに使う原材料は、自分が誰よりも一番知っているわけです。

どの食材で、そのソースが作られているかは教えられなくても
もうわかっています。

どの料理に、どの皿を使うか?どの仕込みにどの食器、器具を
使うか? 洗い物をしながら、全て覚えていきます。

 

チャンスが巡ってくる

そして、ある日

 

「宴会のゼリーやってみるか?」

 

と初めて言われました。

 

毎日の彼女の頑張りを見て、チャンスが巡ってくるわけです。

単なるゼリーで、簡単な仕込みですが、

 

「本当に嬉しかった」

 

そうです。

ゼリーは、何度も食材の準備、計量、洗い物など
やっていましたので、改めて教えて貰う必要もない位、
完璧に頭に入っていたので、完璧にこなしたそうです。

そうすると、「次からも頼むわ」

と任せて貰う事が出来ます。

 

その後は、次々に任せて貰う事が出来るようになります。

 

どんな仕事を言われても、もう彼女はレシピ、道具、食材の場所、
食器、手順、全て頭に入っているわけです。

どんどん仕事を任せて貰えるようになりました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

目の前の「現実」に向き合い、

全力で一生懸命取り組む事が
自分の未来を切り開く。

 

当店のシェフはまさにそんな感じだと思います。

 

今では、独立を果たし、芦屋というお客様の目も舌も非常に
厳しい所で、10年、支持を頂いてお店を運営しています。

 

 「現実」に向き合い、自分の思い描く「理想」を掴み取る

 

毎日、パティシエとして頑張っているあなたの参考にして
頂けると嬉しく思います。

 

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