こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
最近、働く時間を気にするパティシエ の方は増えていると思います。
街の洋菓子店のパティシエ で8時間労働は可能か?
という事と「注意点あるよ!」というお話です。
1.パティシエ で8時間労働は可能
2.環境が変化しつつあるから
3.事例
4.注意点もある
5.まとめ
では内容をみていきましょう!
1.パティシエ で8時間労働は可能か?
「可能」です。
本来は「当たり前」なのですが・・
最近は働く時間を意識するお店も増えてきています。
専門誌でも良く見かけるようになりました。
なぜ働く時間を意識するお店が増えてきたのか?
次で解説します。
2.洋菓子店を取り巻く環境が変化したから
ここ10年くらいでしょうか。
本当に環境が変化しましたね。
ザッとあげます。
・働き方改革
→国が推進している
・長時間労働は悪い!イメージ
・人手不足
→働く時間・環境を改善しないと人が来ない
→もしくは続かない
・少子高齢化
→人手不足の根本原因
「働く環境を良くしないと洋菓子店の運営はやっていけない」と考えるオーナーが増えているという事です。
その為、働く環境を良くしていく為の様々な取り組みをすすめるお店も増えています。
パティシエ で8時間労働が可能というのもそういう環境の変化から言える事です。
私個人の考え方としては以下です。
個人の考えに沿った環境を会社が用意すればいい
・「独立したい!」という人は、長時間労働も有り。
将来の為に自分の時間に対し投資をする事も大事。
・仕事はやるべき事はやるけど長い時間は働きたくない
→自分の能力を高め、生産性を上げて8時間以内で働けば良い。
→それが実現出来る環境を経営者が用意する
・楽に仕事をして給料が欲しい
→こういう人は仕事をすること自体が向いていません。
職人の世界にも向いていないので別の業界が良いです。
参考になるかわかりませんが、私の取り組み事例を紹介します。
3.事例
・週休2日
・週40時間労働
※12月末、3月の一部は超えます。
・4月~11月は夕方前には業務終了
年間ならすと残業はほぼ無し状態です。
彼は焼菓子の製造担当です。
(※焼菓子しかやりません。)
ポイントは3つ
・PAの採用・活用
・仕事の範囲を狭くする
・機械化の推進
この辺をやれば実現できます。
逆にいわゆる長い時間、頑張ってくれている社員もいます。
将来、独立をしたい
そういう人は自分の将来の為に努力する事も大事だと私は思います。
ただこういう人たちの為に一定の効率化は必要です。
できるだけ「雑務」は減らす仕組みを作るという事です。
雑務を減らし、その分、その人の成長につながる事に時間を使って貰うということです。
・外注の活用
・機械化の推進
・ルール・マニュアルの整備
ポイントは以下の2つです。
環境は経営者の責任で整備する
働き方は個人が自分で選択する
全てのパティシエ をひとくくりにしてしまう考え方は乱暴だと私は思っています。
独立をしたい‼もっと学びたい‼という志が高い人にとっては、働き方改革なんかは逆に迷惑なはずです。
4.注意点もある
注意点もモチロンあります。
「8時間労働」
こればかりに目がいくとそれはそれで困る場合も出てきます。
なぜでしょう?
8時間労働を徹底するには「人の能力に依存しない運営」を経営者が実現していく事になります。
これは逆を言うと、
「そこでいくら働いてもあなた自身の能力は向上しにくい環境」の可能性が高いということです。
工場とかをイメージして下さい。
流れ作業で、レーンに商品が流れてきて、あなたはその商品の一部をひたすら一日中組み立てる作業をし続けます。
非常に効率を重視し、生産性が高い環境です。
8時間労働、充分に可能でしょう。
でも、あなた自身のパティシエ としての能力向上には繋がりません。
だから私は2つの軸で進めています。
・徹底した機械化・効率化をすすめる
→上記の工場のようなイメージの職場です。
・職人として能力を高めたい人にはその環境を用意する
→「ザ・職人」の世界です。
1つの側面だけで物事を見ないことです。
「注意点」よく考えてあなたにあった職場を選びましょう。
5.まとめ
・街の洋菓子店で8時間労働は可能
・ここ10年くらいで環境が大きく変化した為
・注意点もある
→8時間労働だけを追い求めてはいけない
・自分に合う職場を見極めて働くこと
ということで以上です。
「働く時間が短そうだし、環境良さそうだからホテル・・」
とか安易に考えないことです。
色々なお店を自分で調べて、学び、最終的に自分で判断することが大事です。
それでは!