こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
今回は、昨今色々と話題になっている、「パティシエの人手不足」について私なりに考えてみたいと思います。
本当に人手不足?
仕事柄、他店を覗きにいく事があるのですが、よく感じる事があります。
「人、多い。」
販売だけで、何人いるの?というお店良くみませんか?
また、製造人員もやたらめったらいるお店多くありませんか?
お客様が3人しかいないのに、販売員が4人いたり・・・
「必要ないでしょ・・」
と思う事、私は多くあります。
人手不足感、私は余り感じません。
でも、実際運営している方としては、「人手不足だ」
と感じているのかもしれません。
なぜ、そんなに人が必要なのか?
生産性が低いから
これに尽きると思います。
労働生産性を意識した運営をしているかどうか?
だと私は思います。
労働生産性が低いから、従業員1人あたりの給与も
低くせざるを得ません。
以前、私のお店に転職してきたパティシエは
月給28万円でした。
社員数30人位いる規模のお店です。
その「シェフ」で、たったの28万円。。。
10年勤めてシェフに上り詰めた人材がです。。
『給料、安すぎるでしょ?』
と本人にも話ましたが、生産性が低すぎるから、
仕事ができる中心人材に、高い給料を出す事が
出来ていない場合が本当に多いのかなと思います。
沢山人を入れるから、生産性低い従業員に対しても
最低限の給料を払わないといけない為、中核人材に対して
高い給料を出す事が出来ない訳です。
私のお店は、社員3名しかいませんが、普通の社員でも
30人規模の店舗でシェフになった人と同等かそれ以上の
給料を出しています。
(※社員によって、差がありますが・・)
超ブラックに長時間労働しているかというと
そうでもないです。
人手不足ではなく、「生産性不足」では?
余分に人員を抱えるから、1人当たりの生産性は伸びませんし、
個人の能力も中々高まっていきません。
また、経営者が労働生産性を意識した経営をしていないと、
当たり前ですが、従業員も意識しません。
今、私のお店で働いているパティシエは前職では社員6名+PAがいたそうです。
人気のお店でしたから、毎日朝早くから深夜まで頑張っていたそうです。
私のお店では、社員3名+PAです。
半分以下の規模です。
しかし、聞いた感じだと売上は私のお店の方が2倍位はあります。
労働生産性を意識し、とにかくこれを高める活動を進めていく事で
人手不足感はなくなりますし、従業員としても働きやすくなると共に、
実力も付いてきます。
また、給料も貢献している人にはそれなりに出す事が出来るようになります。
まとめ
人手不足ではなく、「生産性不足」
経営者が労働生産性を意識した経営をすること
そして、欲張らずに身の丈にあった売上規模にすること。
洋菓子店において、規模の拡大 は今の時代の流れにそぐわなく
なってきています。
私の持論です。
これが、働く従業員も、お店側も、そして最終的にはお客様にとっても
良い循環を生む事が出来るのだと私は思っています。