こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営中。
国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
今回は、パティシエの離職率について私の見解を
お伝えできればと思います。
離職率:洋菓子業界は高い?
離職率ですが、パティシエの皆さんの「体感」から
すると「かなり高い」と思っている方が多いのでは
ないでしょうか。
そうです。「高い」ですね。
地域等によっても違うと思いますが、
大体以下のような状況と思います。
1年以内の離職率 70%
3年以内の離職率 90%
高卒・短大卒の方の一般的な離職率は、3年以内の
離職率は、40~60%と言われていますので、それと
比べても「高い方」です。
なんで辞める人がこんな多いの?
離職率がなぜ、こんなに高いか?
パティシエとして働いている皆さんは何となく
検討がつくと思います。
労働環境の問題
個人店、ホテル、レストランなどによっても変わるとは
思いますが、大まかに「労働環境」良くない所が多いのが
現状と思います。
1日8時間労働で終わる所はまず殆ど無いと言ってよいと思います。
職場の人間関係の問題
これも良く聞きます。先輩社員がどうとか、暴力?を受けていた
とか、。。。
聞く度に、「本当に?」と思う事ばかりです。
給料の問題
給料、安い所多いですよね。
私自身、他の業界から洋菓子業界にきましたので
最初は本当にびっくりしました。
社会保険すら入っていない所も多く、苦しい経営なのか
オーナーが無知なのかわかりませんが、いずれにせよ
環境としては良くない場合が多いです。
主な所はこの辺だと思います。
ではどうしていくべきか?
労働時間長いし、給料安いし、人間関係大変だし・・・
と言っているだけでは何も変わりません。
ではどうするべきでしょうか?
私なりの考えをお伝えしたいと思います。
労働環境:職人の世界を理解する
そうです。「職人の世界」というのは、どの世界でも
「働く時間」というよりは、「能力向上」を重視している
所がありますよね。
どうしても、1日8時間以上は働きたくない、
せめて9時~18時、遅くとも19時には終わりたい・・
という事が優先順位が高い方は、そもそもこの業界は向いていません。
定時でしっかりと働ける職種を探すべきだと思います。
クリスマスは徹夜するとか、そういう無茶苦茶な事は私も賛成しません。
『職人として一流を目指したい』 という事があるのであれば、
労働時間にこだわるよりは、自分自身の能力向上に努めた方が
よっぽど自分の為になるのではないでしょうか。
つまり、何を大切にしたいか?
という事だと思うんです。
ただ、長時間労働を肯定しているわけではありません。
もちろん、経営者としては改善に努めていくべきだと思いますし、
機械を導入するとか、仕組みを作るとか色々とやっていくのは
経営者の仕事だと思っています。
職場の人間関係問題:転職すべき
これは、難しい問題だと思いますが、私の考えは「転職」を
することです。
人としての常識を外れた言動があるお店はそういう風土
になってしまっていますので、一早く転職するべきと思います。
こういう所にいても、時間が勿体無いですし、何より辛いですよね。
給料の問題:経営者に相談する
「私は〇〇円位の月給が欲しいと思っています。
その為には、私は何が出来るようになり、どういう状態に
なれば実現するのでしょうか?」
と聞いて下さい。
これにきちんと答えてくれる経営者の元では努力して
いくことが大切と思います。
しかし、この質問に納得のいく返答をしてくれない場合は、
とっても怪しいと思いますので、転職も視野に入れた方が
良いかもしれません。
この質問は経営者にとっては、「ドキッ」とする質問です。
従業員の給料を上げていくには、経営者が自分に厳しくあると
共に、様々な勉強、努力が必要になる為、とっても経営者は大変です。
でも、経営者自身が自分の課題と向き合い、従業員の目標や必要としている
こと(今回の場合は給料)を実現する為に、もがいて努力してくれるような
人って良くないですか?
私はそういう経営者の元で働きたいなと思いますし、私自身
そうありたいと思っています。
パティシエの原点「素晴らしいお菓子を創り出す」
この業界は色々と大変です。これは間違いないです。
でも、大変なのはどの業界でも同じです。
大事なのは、パティシエとして人を感動させる
素晴らしいお菓子を創り出すことが出来るようになる!
という志をしっかりと持つ事だと思います。
これが無い人は、途中で挫折します。
日々の業務の中で、意外と忘れがちなことですがとても
大事なことだと思います。
まとめ
経営者は、経営者としての仕事をしっかりとすること。
パティシエの皆さんは、自分の意志や目標を持ち、志高く
努力すること。
余りに限度を超えるような労働環境のお店、人としての常識を
わきまえていないお店は転職を視野に入れ、環境改善に努める事。
酷いお店ばかりではありません。真面目にしっかりと様々な取り組みを
しているあなたに合うお店も探せばきっとあります。
私の願いとしては、せっかくパティシエを志したのだから、
3年はまず頑張ってみて欲しいという所です。
そのためにパティシエの皆さん、経営者である私達が
共に努力していくことが大切なのだと思います。
離職率が高いという問題については、私としてまだ他にも
思う事があるのでまたの機会にその点は触れたいと思います。
それでは