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パティシエは厳しい、きつい、苦労が多いってホント?

パティシエは厳しい、きつい、苦労が多いってホント?

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

パティシエって、

「厳しい(世界)」

「きつい(長時間労働等)」

「苦労が多い(人間関係など)」

とよく聞く事があると思います。

この事についての、私なりの考えをご紹介したいと思います。

 

日々頑張っているパティシエの皆さんの励みになればと
思っています。

 

では参ります。

 

 

厳しい世界、きつい、苦労が多いとは?

 厳しい世界

上下関係が厳しく、先輩社員やオーナーからの指示は
絶対!のようなコテコテの「職人の世界」が未だに
多くのお店では存在していると思います。

パティシエとして働き始めても、5年も立てば90%は
退職してしまうような世界です。

10年たつと、残っているのは100人に1人と言われる
厳しい世界です。

そしてそこから更に独立を果たしたとしても、更に生存競争を
勝ち残っていくのは狭き門が待っています。

本当に厳しい世界です。

 

 きつい(長時間労働など)

朝から晩まで立ち仕事で、休憩は少ない、厨房は寒い
重いものを運ばなくてはいけない、同じような作業の
繰り返し・・・と上げればキリがない位、「きつい」と
言っても良い世界です。

 苦労が多い

先輩、同僚、オーナーシェフとの関係など、人間関係に
苦労が多い世界でもあります。

「職人」の世界ですから、理不尽な指示、対応、要求は
ある場合が多いですし、苦労する所かもしれません。

 

厳しい、きつい、苦労が多い⇒喜んで!

ここからは私の持論です。あくまで私の意見です。

「若い内は苦労は買ってでもしろ」

というのは良く言われる事です。
私も、親や、会社員時代に勤めた会社の社長から教育を受けた事が
あります。

私は意外と何も考えず、素直な所がありまして、
「へぇ、そうなんだ。そういうものなのかな。」

 

という位で、普通に若い内は苦労は買ってでもやらないといけないのか・・

と思っていました。

 

今となっては、その事が本当に身に染みる位に良くわかります。

 なるほど!

と今は思います。やはり両親や、人生の先輩の言う事は素直に聞くと
良い事があるなと思います。

私自身、20代の時はとにかく猛烈に働き、学習をしました。

月400時間近く普通に働いていました。

土曜日に出社するのは結構当たり前で、下手すると日曜日まで
出社して仕事をしていました。

 

一般的な月160時間労働の方からすると、2倍では聞かない位、
仕事に時間を割いていた事になります。

もうメチャメチャ「ブラック」でした

 

でも、今は本当に感謝しています。

おかげで、私のように才能が無い普通の人間でも、こうやって
厳しいといわれている洋菓子店を10年倒産させる事なく、
運営をする事が出来るようになることが出来ています。

 

価値観をどこに置くか?

私は、今でいう完全な「ブラック」な状態でしたが、
今は「感謝」すらしています。

長時間労働などの環境を推奨をする気は全くありませんが、
パティシエの世界においては以下のことを考える必要が
あるように私は思います。

 

 一流のパティシエになりたい
独立して成功したいというパティシエの場合

こういう方は、まさに「買ってでも」苦労していく事
が自分の将来に繋がると捉え、目の前の課題を超える努力
をしていきましょう。

今、日本国内を見渡してみても、活躍しているオーナーシェフは
まず100%(と言っても良いと思います)が、若い時に誰よりも
苦労し、努力をしてきている方たちだと思います。

逆に、1日8時間労働で、定時勤務のような形でやってきていて
一流と言われていたり、お客様から高い支持を得ているお店や
シェフは、いないのではないでしょうか?

 

 厳しい、きつい、苦労が多い・・はやっぱり厳しいと
思う方

これはこれで、真っ当な意見だと思います。

「独立とかしたいわけじゃないし」

「シェフパティシエになりたいわけでもないし」

「そこまでしてお菓子作りを極めたいというわけでもない」

 

そういう方、多いと思います。
方向としては、2つあると思います。

  ①環境が今よりも良いお店で働く

つまり転職ですね。今は労働環境などに気を配る
お店やオーナーも増えてきています。
そういう所を探して、転職をするというのはとても
現実的で良いのではと思います。

 

  ②職を変える

とはいえ、業界自体の問題もあります。
業界自体を変えるという意味で、新たな仕事にチャレンジを
するという事です。

別の業界に行くわけですから、「一からのスタート」です。

それなりに色々と大変な事がある覚悟は必要と思います。

 

仕事にどのような価値を見出すか?という所で、選択が変わるという

ことだと思います。

まとめ

厳しい環境というのは、人を成長させます。

一流を目指したり、独立して成功したいというのであれば、
人並み以上の尋常ではない努力が必要なわけです。

 

一流になりたい、独立して成功したい、
でも1日8時間以上は働きたくない

というのは相いれない事であると私は思います。

少ない努力で成功出来る人は、才能のある本当に本当に一握りの人だけ
の事だと思います。

 

今の環境を「自分が成長する為の課題」と捉え、是非自分自身の
 成長や、将来の成功の糧にしていって下さい。

それでは!

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