こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
2009年の開業時のことです。
製菓問屋さんの担当の方にご協力を頂きながら、開店時の原材料の仕入れをどうるすか考えていました。
担当の方は、ベテランで経験値も高い優秀な方でした。
(※何と今では支店長に!)
でも「何でも担当の方の言う通りにやっていても失敗します」
もしかするとこの考え方は街の洋菓子店を開業し、成功する為には役に立つところもあるのかなと思い記事にしてみます。
では内容をみていきましょう!
1.洋菓子店の開業時は業者の担当の言う事を聞かない方が良い時も多い
当たり前といえば当たり前ですがホントそうです。
以前、こんな記事を書いています。
いや~~、大失敗しましたよ。。
素直になりすぎるのも良くないんだな・・というのを学んだ気がします。
でも、担当の方は経験値も豊富です。
知識も相当あります。
人としてもとても良い方でした。
製菓の世界について私よりも知識・経験値がある方です。
でも何で言う事を聞かない方が上手くいく事があるのでしょうか?大きく2つの理由があると思っています。
2.【過去】成功している事は【今後】成功するとは限らないから
経験や知識というのは過去から作られるものです。
でも私達のような独立開業者は「未来」を作ろうとしています。
過去上手くいった事でも、今、そして未来は時代、価値観、環境、全てが変化していきます。
だから、過去の成功体験を真似する事で失敗をしてしまうことは充分にありえます。
特に製菓の世界は本当に遅れています。
担当の方が「今後も優秀とは限らない」わけです。
もう1つあります。
3.オリジナリティが高いお店の場合は【過去】は参考にならないから
過去に例が無いようなオリジナリティが高いお店の場合は、製菓の世界にずっと浸かっていた担当の方の知識や経験が逆に足かせになる事もあります。
「新しいこと」については、過去の知識や経験が活かせないこともあります。
私達の開業時の例を次にあげてみます。
「原材料の仕入れ」についてです。
4.事例:私のお店
「このリストの原材料の見積もりをお願いします。」
後日、担当の方から連絡がありました。
「拝見しましたが、ホテルで扱うような高級な原材料が非常に多いです。もっと安くて代わりになるようなものもありますのでそちらもご提案させて頂きます。」
担当の方はどう捉えたか?というと以下です。
・こんな高級な原材料ばかりでは経営的に無理!
・ホテル出身のシェフだから街の洋菓子店の経営についてわかっていないんだろう
・だから(良かれと思って)安く仕入れる事ができる原材料を提案した方がいい
私達の為を想って提案を頂いたことと思います。
でも私達はこう答えました。
「変える必要はありません。
ご依頼の原材料リストで見積もりを下さい。」
せっかくのご厚意ですがお断りしています。
確かに、タヒチ産のバニラなども平気で使います。
ショコラもヴァローナ社(高い)のものが多いです。
それから11年。
結果から見てこう思います。
「当時の自分達の判断は正しかった」
・他店が仕入れないような食材なら、より一層仕入れた方がいい
・仕入れの原価が高いなら、より高い付加価値をつけ適性な価格で販売すればいい
・仕入れにお金をかけるからこそお客様に満足頂ける
他がやらないことなら、逆に積極的にやる
「差別化」
というやつです。
当時は「大丈夫ですか???」と心配されました。
でも、私達の判断があっているかどうかは社会やお客様が判断して頂けます。
恐らく「正解」だったのだと思います。
5.まとめ
・開業時、業者の担当者の言う事を聞かない方が上手くいく場合も多い
理由
・【過去】成功している事が【今後】成功するとは限らないから
・オリジナリティが高いお店には【過去】は参考にならない
問屋の方や商品に対する幅広い知識は素晴らしいです。
そのような情報にとても価値があるのです。
「安い原材料を使う」というのは経営判断になります。
経営判断は経営者がすべきです。
経営者は様々な情報を集めます。
そして最後は自分で経営判断をする。
これが大事です。
それではまた!