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パティシエの基本の知識「生クリームはなぜ泡立つの?」

パティシエの基本の知識「生クリームはなぜ泡立つの?」

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

突然ですが、質問です。

 

「生クリームは、なぜ泡立つのか?」

 

 

とてもとても、「基礎的な知識」です。

 

 

「ヤバイ。答えれない。。」

 

「何か聞いたことあるような気がするけど、
説明しろと言われると・・・」

 

私が思うに、当たり前過ぎて、意外と
新人のパティシエの方にも、きちんと教育が
されていないのではないかと感じています。

 

意外と、答えること出来ない人が多い印象です。

 

でも、大丈夫。

 

これから、出来るだけ簡単に解説していきます。
では、いきましょう!

 

本記事の内容

・生クリームとは

・温度が大事なわけ

・生クリームが泡立つ工程

 

生クリームとは?

全乳から、脂肪分を分離、抽出したものですね。

以下のように、表示されています。

 

種類別 クリーム(乳製品)

 

※「乳等を主要原料とする食品」は、添加物や植物性脂肪を入れ
作りますので、いわゆる「生クリーム」とは別です。

 

この辺は、細かく説明しだすと、物凄く長くなりますので
ここまでにします。

 

温度が大事なわけ

「ミキサーボール冷やしておいて!」

「氷水を用意しておいて!」

「厨房の温度もっと下げて!」

 

生クリームを扱う時は、必ずこう言われるはずです。

なぜでしょうか?

 

生クリームは、空気の泡を抱き込みながら、泡立てていきます。

温度が高いものを泡立ててしまうと、通常より早く泡立ってしまいます。

空気の泡を抱き込みながら、泡立てる工程をすっ飛ばしてしまうわけです。

 

それで出来上がるのが、

 

「色は黄色く、ぼそぼそとした固い口当たりの悪いクリームです。」

 

『空気の泡を抱き込みながら』がポイント!

 

そこで、生クリームが泡立つ工程を理解する事が必要になります。

 

生クリームが泡立つ工程

1番上が、泡立てる前の状態です。

 

乳脂肪(脂肪球)が均一な状態に、泡立てるという力が加わります。

脂肪球と脂肪球がぶつかります。

脂肪球の膜が壊れて、その壊れた部分が気泡(空気)の
周りに集合していきます

更に、脂肪球と脂肪球がぶつかり、次々と繋がっていきます。

そして、気泡と気泡の間に網目の構造を作るようになります。

 

これが、「生クリームをたてる」ということです。

 

まとめ

・生クリームは、温度帯がとても大事

・空気を抱き込みながら、網目構造を作っていく
 工程を経て、生クリームは泡立つ

 

こういう事がわかると、以下のような事も
理解できるはずです。

 

「軽い口当たりの生クリームを作るにはどうしたらいいか?」

「コク、保形性がある生クリームを作るにはどうしたらいいか?」

「何のために、植物性やコンパウンドクリームがあるのか?」

 

できるだけ、専門的過ぎずに、簡潔に解説をしました。

 

「知識は、実務に役立ててこそ」

 

上記内容は、すべて専門学校で習っているはずですし、
即答できなくてはいけない内容ばかりです。

 

私のお店でも、こういう基礎知識を復習し、
実務に活かせるレベルまで勉強をし、その上で
実務に取り組むということをパティシエには求めます。

 

「基礎」があってこその「応用」ですから。

 

またの機会に、もう少し生クリームについては
解説していきたいと思っています。

 

それでは!

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