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現役洋菓子店経営者だからわかる
パティシエに役立つリアルな情報をお届けします。

パティシエとしての技術・キャリア・経営・心構え

AI時代到来!パティシエは将来不要になるのか?

AI時代到来!パティシエは将来不要になるのか?

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

今回は、AIの時代を迎え、パティシエという職業は
今後どうなっていくか?

洋菓子店経営をして10年、現役経営者目線で語ります。

今、パティシエとして働いている方は、未来を見据え、
自分自身の価値をいかに高めるか?を考えるきっかけに
して頂けると良いと思います。

 

では、参ります。

 

 

47%の仕事がAIで自動化される?

イギリスオックスフォード大学でAI(人口知能)の研究を
行う、マイケルAオズボーン准教授によると、

 

今後10~20年の間で、米国の

雇用者の47%の仕事がAIにより
自動化されるリスクが高い

という事がわかりました。

 

702の職種にわたり、詳細に研究がされた結果だそうです。

 

パティシエは、消える方?残る方?

「比較的」残る方と言われています。

AIロボットは足→脳→腕→顔(表情)→手の指の順に進化していくと
言われています。

パティシエは、「手の指」使いますし、繊細な仕事結構ありますよね。

その為、私は「比較的」残る仕事だと思っています。

しかし、、、という注意点があります。

 

パティシエの職種が「比較的」残るとは?

パティシエという仕事は、繊細な仕事があり、
恐らくAIロボット等でもすぐには追いつけないだろうなと
思う所がある一方、以下のような「効率化」がここ数年、
随分進んでいます。

 

AI技術を活かした、「機械」を作ろうとしている
企業も増えてきています。

 

例を挙げます

 

機械化

クッキー成型機

自動でケーキをカットする機械

温度、攪拌スピード、時間を自動制御できるミキサー
(ジェノワ等、人はただ粉など材料を入れるだけでよい)

焼成過程を記憶し、再現できるオーブン

自動包装機
(人とはくらべものにならない位の生産性向上が実現する)

 

外注

今、お菓子屋さんにある商品の殆どは外注で対応が
出来てしまいます。

極端な話、パティシエでなくても、お店を開く事はもう今や
実現可能です。

チョコレート、ジェノワ、クッキー、ケーキ、ゼリーなど
全て外注可能な時代になってきています。

 

半製品の仕入れ

プラリネなど、以前からもそうですが、お店で一から
作らなくても、出来たものを仕入れる事が出来ます。

こだわるお店は、自家製で作ったりしますが、やはり技術が
必要になる為、仕入れをするお店が多いのではないでしょうか。

 

少子高齢化による人手不足

そもそも、パティシエになるという人の数自体が
少子高齢化の影響もあり、減ってきていますよね。

 

小規模店の倒産急増

これ、最近の問題ですね。

勤めるお店自体が減っていっている。

これは、残念ながら今後も続くと思われます。

私なりの考察を別のブログでまとめていますので
関心ある方はご覧ください。

 

洋菓子店・パティスリーの倒産が増加している事について経営者として考えること

 

どういうパティシエの必要性が高まるか?

上記を見てわかるように、機械化、外注、半製品の仕入れ等
人手不足を見越した業界の各企業の取り組みです。

小規模店の倒産急増という事象に見られるように、各店、余分な
人員を抱える余裕もなくなってきている状況と思います。

 

そのような中、今後どのようなパティシエ人材の必要性が高まるか?

 

答えは、上記でご紹介している「逆」だと私は考えます。

 

必要とされるパティシエ

・機械化では対応できない業務が出来ること

・外注で対応できないお菓子を作る事が出来ること

・副素材なども、0から作る技術・知識を有すること

・世の中にない、前例の無いお菓子のレシピを構築し、
 創造すること
(まだしばらくはAIより脳の方が上)

 

つまり、

 

「ザ・職人」

 

というパティシエは将来残る可能性が高いと
私は思っています。

 

0から、レシピを構築する能力、知識、センスを有し、

その人にしかできない世界でただ1つのお菓子を創造する事が

出来るパティシエ

 

こういうパティシエは非常に価値が高く、
高収入を得る事が出来る時代だと私は思います。

 

これは危険!早く脱出する努力を!

では、逆に「不要になるパティシエ」とはどんな
方でしょうか。

一例をあげます。

 

・お店で習った事は出来るが、自分オリジナルのお菓子を
作る事が出来ない。

 

・洗い物、片付け、計量などの補佐業務中心の方

 

・仕入れ可能な商品よりも、オリジナリティがあり、高品質な
お菓子を作る事が出来ない方

 

・クッキー詰め、シーラー作業等の単純作業が多い方

 

・大型店などで、半製品が納品され、その仕上げ作業のみ
担当している方

 

上記一例ですが、パティシエはそもそも職人ですので、
「高度に専門的な」人材でやはりあるべきなのだと私は思います。

 

上記などは、パティシエではなくとも、PAや未経験者でも対応可能な
業務ですし、更にAIや機械化、外注化などでも対応可能な業務です。

 

まとめ

 「ザ・職人」

この域を目指す事が、やはりパティシエは必要なのだと
改めて感じます。

 

今後、機械化や単純作業の外注化、AIの活用、
各種効率化はどんどん進み、パティシエで必要と
されるのは、「ザ・職人」だけという状況が近い
将来来ると思います。

もうきているのかもしれませんね。

 

ただ、逆に「ザ・職人」は、その努力に見合う報酬を得る事が
出来る時代でもあると思います。

 

将来を見据え、今の自分に危機感を持ち、自分自身の価値を
いかに高めていくか?

がパティシエに求められる時代になっているのだと思います。

 

以上です。有難う御座いました。

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