こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
パティシエの基本の知識「生クリームを扱う」編です。
生クリームがなぜ泡立つか?という基本の知識は
以下の記事が参考になりますのでまだ見ていない方は
確認をしてからこちらの記事を読んでみて下さい。
生クリームを扱うには「オーバーラン値」の理解が必須
軽い口当たりの生クリームを作るには「乳脂肪分が低いもの」
コク・保形性がある生クリームを作るには「乳脂肪分が高いもの」
生クリーム「オーバーラン値」とは?
生クリームを泡立てた時に、どの位の空気を含み、体積が
増えたのかを示す指標のこと
つまり、オーバーラン値が高いほど、空気をより含んで
泡立つということです。
数式だと以下です。
軽い口当たりの生クリームは「低脂肪」
オーバーラン値を踏まえると、どう考えると良いでしょうか?
「乳脂肪の低い生クリームの配合比率を高める」
ということです。
一般的には、40%以下ですね。
なぜ、乳脂肪が低いと口当たりが軽いのか?
ここで少し深堀しましょう。
低脂肪の生クリームは、オーバーラン値は高い?低い?
結論は、「高い」です。
乳脂肪分が低いと、クリームの中の脂肪球の数が少ないですね。
すると、泡立てた時に、脂肪球と脂肪球がぶつかる確率が低くなります。
つまり、網目構造を形成するのに時間がかかります。
(※だから、低脂肪の生クリームは泡立てるのに
時間がかかるわけです。)
時間がかかるから、その間に空気が充分に取り込まれて、
結果、オーバーラン値が高くなります。
人は、「口当たりが軽い」と感じます。
コク・保形性ある生クリームは「高脂肪」
これは、軽い口当たりの逆ですので、
「乳脂肪の高い生クリームの配合比率を高める」
ということです。
高脂肪の生クリームのオーバーラン値は「低い」
高脂肪の生クリームは、脂肪球の数が多いです。
その為、泡立てた時に、脂肪球と脂肪球がぶつかる確率が
高くなります。
すると、充分に空気を取り込む前に、網目構造が形成
されることになります。
↓
オーバーラン値は、「低い」ということです。
「保形性が良い」クリームとなります。
オーバーラン値が低いので、充分な空気を含まず、
網目構造が形成される為、乳脂肪のコクを感じやすい。
まとめ
生クリームを泡立てる時に、どの位の空気を含み、
体積が増えたのかを示す指標
→オーバーラン値は高く、空気を充分に含む。
・コクのある口当たりは「高脂肪」
→オーバーラン値は低く、早く密に網目構造が形成される。
その為、保形性もよい。
保形性があって、コクもある。
でも、軽い口当たりにしたい。
の土台になります。
参考にして頂けると嬉しく思います。