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今のような経済の状況で田舎に帰ってケーキ屋を開くのは大丈夫か?

今のような経済の状況で田舎に帰ってケーキ屋を開くのは大丈夫か?

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

「今、東京でパティシエをしています。来年あたりに田舎(秋田)に帰って店をやりたいと思っています。」

 

「東京と違い、田舎は経済も良くないとわかっていますが、このような状況でもお店を構えても大丈夫でしょうか?」

 

こんな疑問にお答えします。

ある程度、実力がついて独立を視野に入れた段階で今回のコロナ禍・・・

 

こんなお悩みを持つパティシエの方もいるのではないでしょうか?

果たして大丈夫か?

私自身、地方で小さな洋菓子店を経営している身です。

 

不安はよくわかります。

私の実体験を踏まえて解説をしていきます。

 

 

本記事の内容

1.今のような経済化で田舎でケーキ店を構えるのは大丈夫か?

2.大丈夫か?どうかはどうでもいい!「成功させる」の一択しかない事を自覚する。

3.大丈夫じゃない場合はどうなるか・・・

4.行動すると見える事がある。大丈夫かも少しは見えてくる。

5.まとめ

 

では内容を見ていきましょう。

 

1.今のような経済化で田舎でケーキ店を構えるのは大丈夫か?

結論としては「人による」です。

 

大丈夫な人は「大丈夫」

そうじゃない人は「大丈夫じゃない」

 

・・・

 

まず事実として、独立して10年後まで継続できる人の割合について解説します。

詳しくは以下で解説します。

 

10年後の存続率

個人事業主:11.6%

法人   :35.9%

※中小企業庁:中小企業白書より

 

パティスリー・洋菓子店の独立開業後の存続率とは?理論ではなく「実例」です!

 

個人だと約90%

法人でも約65%

 

倒産するのが現実です。

ケーキのように「甘く」ありません。

 

まずこの事実を知るという所がスタートだと思います。

そして、

大丈夫かどうかは「人による」

これはなぜか?

 

次で解説していきます。

 

2.大丈夫か?どうかはどうでもいい!「成功させる」の一択しかない事を自覚する

結論は以下です。

「甘い世界じゃない」ことを理解した上で、

「成功させる」一択であると覚悟を決める。

 

その為の努力をする!!

強い決意と覚悟が自分にあるか?

 

上記を理解できて行動できる人は、10年後に生き残る側になれるかもしれません。

「人によります。」

 

例えば今回の例の方のように「田舎が秋田県」

秋田県は47都道府県の中で最も人口減少率が高い県という事実を理解しているか?

 

 

それを踏まえて「自分ならこう乗り越える」という対策を持てているか?

勝つための戦略を持てているか?

 

これが大事です。

ちなみに「大丈夫じゃない場合・・・」ってどうなるか想像できていますか?

 

3.大丈夫じゃない場合はどうなるか・・・

お店を構えるだけだったらぶっちゃけ簡単です。

 

飲食店なんかもそうです。

独立開業だけだったらゼンゼン難しくありません。

 

もっとも難しいのは「継続すること」です。

(※上記で解説した通りです。)

 

そして大丈夫じゃない場合・・どうなるか?

大丈夫じゃないとは「お店は構えたけどうまくいかず倒産」という事ですね。

 

・閉店するにもお金がかかる

 

・借金はしっかりと残る

 

・次の「就職先」を探す必要が出る

 

・パティシエとして再スタートを切る

⇒しかし、給料の殆どを借金の返済に回す必要がある

 

閉店するにも、多くのテナントではすぐに撤退できません。

例えば7月末にお店を閉めます。

そうなっても、その後3ヶ月~6ヶ月は家賃を支払続ける必要があります。

(※契約内容によります。)

 

また「原状回復費用」の費用も100万単位でかかってきます。

 

経営がうまくいかなくて閉店するのに、閉店するにもお金がいる。

そんな矛盾な状態が起きてきます。

 

これ知らない方、結構いるんですよね。。

「このまま継続するのもキツイ」

「閉店するのもキツイ」

両方キツイ・・・

 

そんな状態になります。

今のコロナ禍で苦しむ飲食店などはまさにこんな感じです。

 

そして更に閉店できたとしても「借金」はしっかりと残ります。

(※自己破産は最終手段です。)

 

 

例えば1,000万円残ったとしましょう。

返済の期間が例えばあと5年だとします。

すると年間200万円の元金の返済です。

これに「利息」がつきます。

 

 

パティシエとして働きながら返済できますか???

 

「大丈夫じゃない状態」

 

何となく想像つきますか?

返済期間を10年に伸ばして貰っても、年間100万円の元金の返済です。

これに利息がつきます。

 

住宅ローンみたいに35年ローンなんてできません。。

 

事業用資金だと短いと3年の返済です。

小さなお店だと、大体は5年~7年位の返済が通例です。

35年ローンみたいなのはありません。

 

こういう事まで想定し、覚悟を持ってお店を構えようとしているか?

考える必要があると私は思います。

 

私はちなみに創業時、考えていました。

奥さんとも約束していました。

 

「3年やってダメだったらその時点で潔く辞める。」

 

「借金は2人で働けば充分返していける。」

 

3年で区切っていました。

3年で立ち上げる事ができないようなら早く辞める。

ダラダラやらない。

そういう事です。

 

ここまで見て頂いた方でこう思う方がいると思います。

 

「どうしたら大丈夫なのか?」

 

「何をしたらいいのか?」

 

「このままではヤバそうなのはわかった。」

けど、

「じゃぁ、どうしたらいいのか?」

 

そうですよね。

次で解説していきます。

 

4.行動すると見える事がある。大丈夫かも少しは見えてくる。

これは明確です。

頭だけで考えない。

行動してみましょう。

 

行動すると見えることが沢山あります。

 

例えば以下のような事をやってみて下さい。

 

・自分が出店したい地域の洋菓子店、全部に行く。

そして買う。食べる。

 

・繁盛しているお店、そうでないお店の違いを考える

 

・自分が出店するなら「ココ」という場所を選定する

・家賃相場を調べる

・どういうお店にしたら成功するか?考えて紙に書く

⇒事業計画書にまとめる

 

・「大丈夫じゃない場合」

⇒「閉店」となった場合に自分はどうなるか?

最悪を想定し、乗り切ることができるか?考えて紙に書く

 

とにかく「成功するイメージ」を確信が持てるまで色々と行動を起こすという事です。

私は上記は全部やりました。

 

実際に行動すると少しは見えてきます。

「あ、うまくいくかもしれない。」

「最悪な状態になっても何とかなるかな・・」

とにかく「行動」です。

 

「行動」あるのみ!!

 

もっと言うと、想定するエリア・物件の前で朝から晩まで立って交通量調査しました。

 

・歩いている人の数

・年齢層

・男女別

・車の量

 

などなど、現場で徹底的に調べました。

今、パティシエとして働いている方であってもできます。

 

夏休みや冬休み、少しはあるはずです。

その2~3日使えばいけるはずです。

 

もう夏場とかは正直「地獄」ですね。。

私、ちょうど「真夏」だったんですよ。

もう暑くて死にそうでした。。

 

でも「行動あるのみ!」です。

 

5.まとめ

■今のような経済下で、田舎にケーキ屋を構えるのは大丈夫か?

「人による」

 

■「成功させる」一択しかない覚悟を持つ

そして、

必要な努力、行動をする

 

■「大丈夫じゃない状態」をリアルにイメージする

⇒この対策も考えておく。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

今でも思います。

「大変な状態が延々と続く」

そうです。

 

そういうものです。

一瞬でも気を抜くと全て自分に帰ってきます。

 

自分に甘い人は独立は向いていません。

独立したら誰も叱ってくれません。

 

良い結果は従業員の頑張り

悪い結果は経営者の責任

 

そういうものです。

少しは参考になると嬉しく思います。

 

それでは!!!

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