こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
30歳代からパティシエを目指したい!
そう思う方、結構いると思います。
でも色々な情報や年齢など踏まえて二の足を踏んでいる方も沢山いるのではと思います。
そこで、私の経験の範囲内ではありますがこの事について解説したいと思います。
私のお店のシェフもパティシエとしてのスタートは26歳です。
一般的なパティシエなら18歳から学校にいき、19歳、20歳からのスタートですよね。
それと比べるとかなり遅いスタートでした。
こんな感じでも独立をして、シェフパティシエとして洋菓子店の運営をしています。
少しでも参考になればと思います。
では内容をみていきます。
1.30歳代からパティシエになるのは無謀か?→可能
結論としては「可能」です。
「パティシエになる」といっても様々ですよね。
今回はお店やホテルなどで働くこと=パティシエになるという前提で進めます。
2.30歳代からパティシエになるのが可能な理由とは?
なぜ、私が「可能」というか?
その理由について解説します。
下剋上が可能な世界だから
努力、実力、センス次第で一気に周囲を追い抜く事は可能
30歳代からパティシエを目指すような方は、大学を出て一般企業に勤めたけれどもやっぱりパティシエをやりたい!
みたいな方が多いと思います。
私個人の考えですが、逆に一般企業に勤めた経験というのは製菓の世界でも充分に活かすことができます。
・仕事の仕方
・一般教養
・電話対応
・目標設定の仕方
・仕事観
などなど。
社会人としての基礎的なこと、かつ重要なことをあなたはもう既に学んできているはずです。
この経験・知識が大きな武器となります。
パティシエの世界では社会人としての基礎的なことの教育がとっても欠けている
未だに古い慣習の元、運営されている所も多い
だから「後発」でのスタートでも充分に挽回できます。
「ごぼう抜き」できますよ!
実際のところ、私のお店のシェフがまさにそんな感じです。
次で解説します。
3.事例紹介:私のお店のシェフ実体験
大学を出て、高校の事務職に就きます。
その後コルドン・ブルー代官山校に通い、パティシエとして働き始めたのは26歳です。
個人店勤務→パレスホテル東京→神戸ポートピアホテル→独立
こんな流れです。
多くのパティシエは10年とか15年とかかけて「修行」をしてから独立をします。
しかし、彼女は3年弱の期間を経て独立を果たしています。
彼女はいいます。
「修行期間は3年もあれば充分」
実行している本人が言うのだからそうなのでしょう。
適切な努力をすれば充分に可能ということです。
とはいえWEBサイトを覗くととっても否定的な意見が満載で不安になると思います。
という事で私なりに解説をしたいと思います。
4.こんな不安があるけどどうなの?に答えます
「そんな甘い世界じゃない」
「体力勝負だけど大丈夫?」
「給料安いけどいいの?」
もうとにかく「否定的な意見」のオンパレードですよ。。
という事で解説します。
4-1.30歳代で未経験でパティシエになるのは大丈夫?
私のお店のシェフも26歳、未経験からのスタートです。
30代、未経験の場合、働く場所を探す努力は必要です。
「パティシエ」と言っても実際の所、専門知識がなくても充分にできる仕事って沢山あります。
また一気に先輩を追い抜いていく事は可能です。
私もちょっとパティシエの仕事をやってみたことがあります。
ジェノワ(スポンジ生地)の仕込みです。
パティシエ歴5年位でも、シェフから教わっても中々できない子は多いです。
私は実は1回シェフから教わっただけで出来てしまいました。
なぜかというと「仕事の仕方の差」ですね。
・ポイントの見極め
・観察
・質問
・各作業の製菓理論の理解をした上で質問し確認する
一般的な社会人経験というのはこういう所で活きてきます。
未経験だからといっても充分に挽回は可能です。
4-2.30歳代からパティシエは「大変」のオンパレードだけど大丈夫?
日本人は「挑戦」をする人をとかく否定しがちです。
「独立?」
「そんな甘いもんじゃないよ。」
私も独立開業の時、何度言われたかわかりません。
否定してくる人の戯言は無視したら良いです。
私のお店のシェフもそうです。
「そんな甘いもんじゃない。」
言われまくりですよ。
でも彼女は成し遂げています。
・ジャパンケーキショー1位受賞
(※日本最大のコンクール)
・食べログ市内1位
・国内2万店のうちTOP100
・独立し11年経営
→9割は10年後には消えます。
・出産、育児をしながらシェフ業をする
4-3.30代からパティシエは体力的にきついの?
最初はきついかもしれません。
これはもうあなたの決意の度合いによります。
最近、労働環境を改善している所もとても増えてきています。
きちんと情報収集をして、あなたにあった労働環境を用意できる所を探すことが大事です。
どんな仕事でも「キツイ」ですよね?
楽な仕事は基本的に無いと思います。
パティシエは体力勝負みたいな所があるのは事実です。
でも、それを問題視して改善していこう!というオーナーも増えてきています。
あなたの価値観にあったお店を探す努力をしましょう。
4-4.30歳代からパティシエ「低収入」??
これは働く場所によります。
シェフも最初に働いた所は手取りが10万もありませんでした。
ただ、次の職場では2倍以上になっています。
一般的なサラリーマンよりは低収入な業界だと思います。
あなたの努力次第です。
実力主義の弱肉強食な世界が職人の世界です。
実力が無い職人の給料は低いのが相場です。
あなた自身の価値を高めることに注力しましょう。
それが出来たらあなたが満足する収入を得ることができる職場はいくらでもあります。
「人手不足」でどこも困っていますから。
「給料が低い」と言っているパティシエ、元パティシエの方は反省した方が良いです。
「自分自身の価値を高める事が出来ていないから給料が低い」ということです。
4-5.年下のパティシエが先輩になるけど大丈夫か?
確かにコレあるんですよね。
私のお店のシェフもこんな経験があります。
「おい、伊東!これ洗っとけよ!」
彼女より4歳も下の22歳の男子にこう言われたそうです。
これを聞いていたシェフからその男子はこっぴどく叱れられていたそうです。
パティシエとしては「後輩」だけど人生経験などにおいては確実に「先輩」なわけです。
さらに人に敬意を払う言葉使いをするのは人として当たり前のことです。
でもこんな事すらわかっていない職人は結構いるんです。
残念ながら。
「教育」がされていないという事です。
こういう事はあるかもしれません。
その時は「きちんと教育受けていないんだな」とサラッと流しましょう。
5.まとめ
・30歳代からパティシエになるのは可能
・製菓の世界は「下剋上が可能」
・私のお店のシェフは26歳からスタートして3年かけずに独立
(※すみません。30代ではないのですが、遅いスタートである事は同じです)
・未経験でも可
→ただし、採用の門は狭くなる。
情報を集め、自分に合う場所を徹底的に探すこと
・挑戦を否定する人の言う事は無視すれば良い
・体力的にはなれるまではキツイ
→しかし、仕事は基本的にどの仕事もキツイもの
・低収入でスタートしたとしても自分の努力次第で挽回できる
・製菓の世界は「教育不足」。それは覚悟しておく。
→礼節、言葉使いからしてまともにできないパティシエは多い
はい!いかがでしたか?
「楽勝です」とは言いません。
簡単な道ではありません。
しかし「挑戦のしがい」はあります。
下剋上、充分に可能です。
ぜひ参考にして見て下さい。
あと以下の記事も参考になるかと思います。
これまでの常識とは違う観点で私は製菓業界を見ています。
また全て実践済み、体験済みの事だけ書いています。
参考になると思います。
※パティシエになるにはどうするか?
全体像は以下をご覧下さい。
完全解説しています!
それでは。