こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内2万2000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
最近のケーキ屋さんに対する逆風は本当に凄いものがあります。
以下でも書きましたが、「街のケーキ屋さんの倒産が急増」しているそうです。
独立開業を夢見て、頑張っているパティシエの皆さんに
失敗しない独立開業を実現して頂けるようこの記事を
書いています。
独立開業の全体像は以下の記事をご覧ください。
独立開業を目指す方で、「資金」「商品」「設備」などは当たり前ですが考える事が多いと思います。
しかし、見落としているポイントが結構あると私は思っています。
今回は、意外に見落としていると私が思う、「仕入れ」についてお伝えしたいと思います。
仕入れ
「えっ?」仕入れなんて、出来るでしょ?
「当たり前じゃない?」
と思った方、いると思います。
ところが、昨今はこの「仕入れ」が難しくなっています。
地域による仕入れの難しさ
製菓専門の問屋さんから基本的には原材料は
仕入れる事になりますが、昨今問屋さん自体も
経営状況に苦心している所も増えてきています。
その為、「採算が取れない取引先とは積極的に取引をしない」
という雰囲気を最近は本当に感じます。
それが、「地方」ではよりその傾向が出ます。
つまり、自社便で定期配送をするにはコスト高な所からは
撤退が進んでいるということです。
そうすると、「仕入れ」どうなりますか?
仕入れの都度、ヤマト運輸等を使い、「配送」をしてもらう事になります。
そうすると、お店側としては、「食材+送料=仕入れ額」となり、
実質の原価率が大幅に上がります。
送料も、ヤマト運輸に代表されるようにとにかく値上げ値上げの
連続です。
地方や、製菓問屋の拠点が無い地域での独立を考える方
この事を踏まえ、対策を考えた上で、進めるようにした方が
あとになって、「送料キツイな・・」という事を避ける事が出来ます。
バター
更に輪をかけて、「バター」ですね。「バター」。。
酪農家の減少や、国策などにより、バター不足が慢性化しています。
今後、良くなる事は無いでしょう。
具体的には、出荷制限がかけられます。
過去の実績があるお店に対し、「昨年実績の〇〇%」という
形で納品制限がかけられます。
「過去の実績????」
独立開業する方には「実績=0」ですよね。
そうすると、どうなると思いますか?
そうです。
バター、入れて貰う事が出来ません。
バター、必要ですよね?でも、仕入れる事すらできないという
事も考えておく必要があるわけです。
実際、私もそうでした。
ちょうど、バター不足の時で、問屋さんは1社も実績のない
私達相手にバターの納品は出来ないといわれ、断られました。
各所当たり、ようやく1社から「月60ポンド迄で」という事で
仕入れが出来るようになりました。
バターの仕入れは、相当覚悟しておく必要があると思います。
代替品で、マーガリンや、バター風味のものなど色々とありますが、
所詮「代替品」です。
お客様もわかっていますし、お客様には「あ、マーガリンだな」と
わかってしまい、結局お客様に支持を頂けないお店になるのは
目に見えています。
更に、地方での開業の場合、バターにも「送料」がかかってきます。
もう、実質的な原価率、うなぎ上りです。
とにかく、ただでさえ、原材料費が上がっているにも
関わらず、その上に更に送料まで上乗せされてしまうので、
特に地方や、問屋さんの自社便配送が出来ない地域での独立開業は
本当に、今後リスクが高いという事は考えておいた方が良いと思います。
まとめ
「仕入れ」いかがでしたか?
まだまだ色々とありますが、一部ご紹介しました。
仕入れは開業後ずっと続く事であると共に、原価率の
コントロールは経営上重要な項目の一つです。
「思った以上に原価がかかってしまって現金が無い」
何てことにならないように、先に手を打つ事が大切と思います。
参考にして頂けると嬉しく思います。
それでは。