» 【悲報】完売するまで店を閉めないケーキ屋さんが閉店について
 » 【悲報】完売するまで店を閉めないケーキ屋さんが閉店について

現役洋菓子店経営者だからわかる
パティシエに役立つリアルな情報をお届けします。

パティシエとしての技術・キャリア・経営・心構え

【悲報】完売するまで店を閉めないケーキ屋さんが閉店について

【悲報】完売するまで店を閉めないケーキ屋さんが閉店について

こんにちは、伊東です。

 

2009年から洋菓子店を経営しています。

国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。

 

先日、以下でもご紹介させて頂いたお店

「完売するまで閉めない洋菓子店」で有名?なケーキ屋さんが閉店されたとのことです。

2020年5月31日閉店

 

完売するまで4時(※朝の4時)まで営業をしていたりしたそうです。

夕方じゃないですよ。「午前4時です」

 

完売するまで店を閉めないケーキ屋さんについて考えること

 

陰ながらですが応援していたので残念です。

 

15年間、ほぼ1人でケーキ屋さんを経営されてきたことに敬意を表すると共に、こういうことから私達が学ぶべきことについて解説をさせて頂こうと思います。

 

本記事の内容

1.独立をするなら経営者になる意識を持つ事も大切

2.「職人だけ」では行き詰まる可能性が高い

3.完売するまで店を閉めないお店

4.「職人」を貫く事も素晴らしいことだが・・

5.まとめ

 

では内容を見ていきましょう!

 

1.独立をするなら経営者になる意識を持つ事も大切

今回、閉店されたのは「にこにこ庵」という奈良県にあるお店です。

独立して15年で閉店をしました。

その特異性から度々マスメディアで紹介をされていました。

 

今回も閉店という事で記事にされていました。

 

以下、毎日新聞から引用します。

 

「完売するまで店を閉めない洋菓子店」として話題となった奈良市東紀寺町の「にこにこ庵」が31日で閉店する。店主の木村洋司さん(56)が4月上旬にツイッターで予告すると、1000件を超える反響や閉店を惜しむメッセージが寄せられた。

2020年5月31日 毎日新聞

 

引き続き、引用します。

 

木村さんは15年前、「お客様に笑顔でケーキを食べてほしい」と「にこにこ庵」をオープン。ケーキが売れ残ると「食べられるケーキを捨てるのはもったいない」と、深夜や朝まで店を開けて販売するようになった。すると夕方以降に「今、何がある?」と問い合わせの電話が増え、10年ほど前からツイッターでケーキの残数を発信し始めた。

 

 一方、理想とするケーキ作りに体力が追いつかなくなり、家族との時間も確保しようと、店を畳むことを決意した。「経営者としては反省点が多かった。でも職人目線で納得のいくケーキ作りを大切にしたかった」

 

まず15年間、お店をほぼ1人で続けることだけでもどれほど大変か想像がつきます。

 

最後にオーナー本人も話をされていますね。

 

「経営者としては反省点が多かった」

 

木村オーナーのような気持ちで続けることができる人は「ほんの一握り」だと私は思います。

その努力は尋常じゃないくらいに大変で本当に頭が下がります。

 

パティシエ の99%は木村オーナーと同じことはできないと思います。

 

ではどう考えるか?

独立をするなら「経営者になる」意識を持つことが大切です。

 

なぜ「経営者になる意識」が必要か?

次で解説します。

 

2.「職人だけ」では行き詰まる可能性が高い

結局のところ職人「だけ」では行き詰まる可能性が高いということです。

 

・今回のように体力的に持たない

・経営がうまくいかないと続けることができない

・良いお菓子作りには「設備」も必要

→しかし1人運営では充分な設備投資ができない

 

今回の場合は木村オーナー自身が納得しているから全く問題はありません。

ただこのブログは、独立を目指すような方も読んで頂いていると思います。

 

その為、将来がある方は職人「だけ」では行き詰まるという事を理解しておく事は意味があると思います。

 

 

3.完売するまで店を閉めないお店

・深夜~朝まで営業

・休憩もほどほどに翌日の営業

 

これは普通に「倒れます」

私自身も開業時はこんな感じでした。

 

しかし1~2ヶ月です。やれても。。

15年も続けて本当にスゴイ!としかいいようがありません。

 

ケーキへの愛情が本当に深い方なんだと思います。

一方でこうも思います。

 

「経営力」を高めていれば

もっとお菓子作りにこだわる事ができたのに・・・

 

私の取り組みでご紹介します。

以下をご覧ください。

急速冷凍庫エンジェル

 

フランス直輸入の製菓用の急速冷凍庫です。

国産とはレベルが違います。

 

・仕込み時間▲8時間

・商品の品質UP!

 

これまで半日かかっていたムースの仕込みが、1時間で終わります。

さらに、-50℃で一気に冷凍をかける為、ムースの口当たりがよくなり品質が上がります。

 

次はコレです。

これは多くの洋菓子店にも入っていますよね。

 

・焼成時間 ▲30%

・スポンジ生地の品質UP!

 

気密性の高い、国産のオーブンです。

焼成時間は30%短くなった上でに、スポンジ生地の品質がとても上がりました。

 

2つだけご紹介しましたが、

 

「働く時間は短くなる」

「商品の品質はUP」

 

経営の仕方しだいで、働く時間が短くなる上に、お客様により良い品質のお菓子を提供することができる。

 

ということです。

お菓子作りにもっと愛情を注ぐなり、自分の体を休めるなり色々とできるようになります。

 

「職人としてのこだわりを貫くためにも経営者の意識を持つことが大事」

 

私はそう思います。

 

4.「職人」を貫く事も素晴らしいことだが・・

「職人」を貫くということも素晴らしいです。

「職人らしく生きる」という事ですね。

 

ある意味、木村オーナーは全うされたのだと思います。

ただ、今の20代、30代の方で同じ感覚の方っていますかね?

 

・倒れるまでお菓子作りを頑張る

・家族を犠牲にする

・体力が続かなくなったら終了

・職人目線を貫く

 

ぶっちゃけ「これでOK!」という20代~30代の方って少ないのでは?と感じてしまいます。

 

職人としてより良いお菓子作りを追求する事が大事であって、本人のこだわりや我を突き通す事が大事というわけではないと私は思っています。

 

朝から晩まで働いて手作りでお菓子を作るよりも、よい設備を入れたら1時間で高い品質の手作りよりも美味しいお菓子ができたりします。

 

 

お客様に喜んで頂けるお菓子作り

 

ではなくて、

 

職人である自分自身が納得できるお菓子作り

 

 

これを木村オーナーがやりたかったのかな?

と私は感じました。

何が正解というわけではありません。

 

個々人の価値観の問題です。

皆さんはどう感じますか?

 

5.まとめ

今回は以下の事について解説してきました。

 

■独立するなら経営者になる意識を持つ

 

■職人「だけ」では行き詰まる可能性が高くなる

 

■職人としてのこだわりを貫く為にも経営者になる意識が大切

 

木村オーナーのように「THE・職人」な方は昔と比べるとかなり減ってきているような印象を私は持っています。

 

15年の間、自身の考えを貫き、営業を続けてきた事に敬意を払い「おつかれさまでした」とお伝えをしたいです。

 

それでは!!

関連記事

おススメの記事