こんにちは、伊東です。
2009年から洋菓子店を経営しています。
国内22,000店中、食べログTOP100のお店を運営中。
前職は、東証一部上場コンサル会社7.5年勤務。
小さな洋菓子店の経営戦略の全体像をまとめました。
(※年商1億円くらいまでの洋菓子店)
この記事で以下を理解して頂けます。
・小さな洋菓子店の戦略の全体像を把握できます
・あなたのお店の戦略を立てる参考にできます
→「売上」「利益」の向上に役立てて頂けます。
・小さな洋菓子店の戦い方がわかります
・5年後「ニッコリ笑顔😆」で銀行の通帳を眺めることができるようになります!
自分でいうのも何ですが、小さな洋菓子店の経営戦略について実体験(事例)も含めてここまで解説しているサイトはみたことがありません。
「理屈」だけではなく「実体験」を踏まえ解説していきます。
「本当に本当に学びたい!!」
「本当に業績を上げていきたい!!」
そんな強い想いがある方のために気合を入れていきます!
本記事の内容
各項目リンク貼ってます。関心ある項目からどうぞ。
1.小さな洋菓子店の経営戦略とは?
「経営の差別化を図る戦略」のことです。
小さな洋菓子店の経営者は1度は、事業計画を作ることはあると思います。
その時に、以下のような計画になっていませんか?
・単なる数値の計画
・単なる経費の削減の計画
・スローガン(気合い)だけ
・気合だけ、根拠のない計画
もはや「スタート段階で失敗している」状態です。
「小さな洋菓子店は、強い他社と違う考え方で経営をする【差別化】をしないと業績を上げて、存続していくことは難しくなります。」
「競争の原則を外して経営をすると失敗する確率は高くなります。」
小さな洋菓子店の経営者は
「死ぬほど勉強をする」
「よじれる位に頭をひねり戦略を立案」
「誰よりも猛烈に努力をする」
ことが求められます。
その背景は「経営環境の厳しさ」です。
次の項目で解説します。
2.小さな洋菓子店は苦しい環境におかれている
今も厳しいですが、今後も厳しいです。
先日、帝国データバンクが以下の発表をしています。
2-1.今年2019年は個人の洋菓子店を中心に過去最高の倒産が見込まれる
実は、小さな街の洋菓子店の数は右肩下がりです。
開業するお店がある一方、それ以上に「廃業」するお店が多いということです。
小さな洋菓子店がコンビニや大手に押されてしまっていて廃業数が今年は過去最高を更新する見込みとのことです。
この件については以下でも解説しています。
関心ある方はご覧下さい。
2-2.10年後の存続率は、小さいお店ほど厳しい現実
法人:35.9%
個人:11.6%
※中小企業白書より
個人事業主は10年で9割は消える
小さな洋菓子店の多くは「個人事業主」と思います。
以下の記事で、ある程度の解説をしています。
私のお店の洋菓子店の存続率の実際についても解説しました。
かなりシビアです。。
厳しい現実です。
だから「差別化」が必要です。
3.小さなケーキ屋の戦略の全体像を解説!
【差別化】するポイントは8つです。
3-1 重点商品を決める
営業エリアで1位の商品を作るということです
詳細は、以下で解説しています。
3-2重点エリアを決める
狭い営業エリアで1番を実現し、重点的に経営資源を投下するということです。
ついつい大手と同じように「より広いエリアから集客」とか考えてしまって上手くいかない例は沢山ありますよね。
これについても詳細は解説しています。
3-3重点客層を決める
「あなたのお客様は誰ですか?」
対象とする客層を決めて「選ばれるお店」になる。
「対象とする客層からはNo.1の支持を得る」
↓
「選ばれるお店になる」
ポイントは上記です。
詳細は、以下で解説しています。
3-4新しいお客様を作る方法を考える
戦略①~③を踏まえ、どのように新しいお客様を作っていくか?を考えます。
3-5顧客を維持する方法
お客様の不便・不満を減らすこと
お客様の満足度を高めること
この2つで顧客を維持していくということ
まず先に「不便・不満を減らす」という事です。
その為に、どのような取り組みをするかを考え、実行します。
詳細は以下の記事で解説しています。
3-6組織づくり
従業員10人くらいまでは、ある程度ザックリで大丈夫です。
しかし小さくても「まともな会社にしたい」と考える経営者の場合は必要です。
3-7資金と経費の配分について
どのような方法で資金を調達し、どこに投下するか?
経費は何に対していくら投下するか?
これらを通じ、いかに経営力を高め、業績を上げていくか?を検討し、決めます。
この戦略は、P/L、B/Sの理解が欠かせません。
(※できればC/Fも)
別の機会で解説をしますが、以下で簡単に解説しています。
3-8仕事の時間の差別化について
経営者は「時間を仕事に投下」して努力するということです。
4.優先順位の高い項目について
「全部やるのタイヘン過ぎるでしょ?」
「そんなヒマないし・・・」
という事を思う方がいたら、経営者としては失格です。
「戦略を立てること」は「経営者の仕事」ですから。
誰か他の人が考えることできますか?
とはいえ、大変なのは理解できます。
私も小さな洋菓子店の経営者の端くれですので。
優先順位は以下です。
【営業対策】に53%のウエイトを置く
・重点エリアを決める
・重点客層を決める
・新しいお客様を作る方法を考える
・顧客維持の方法を考える
【商品対策】に27%のウエイトを置く
・重点商品を決める
【営業対策】と【商品対策】で80%。
お客様を作る活動にまず注力する
ということです。
残りの20%は、資金・経費・組織づくりについてです。
5.なぜ小さな洋菓子店にこの戦略が必要なのか?
理由は大きく2つあります。
5-1.大手と同じ戦略で競合しても勝てないから
小さな洋菓子店で、大手と同じ土俵で戦おうとしているお店を良くみかけます。
例えば以下のような取り組みです。
「豊富な商品ラインナップで幅広い客層の支持を得る」
「人口が多い大都市への出店・百貨店への出店」
→ブランド力、人材、資金が豊富は大手などに勝てるわけがありません。
「営業地域を広げるための新規出店」
「卸売りをし、販売数を増やす。」
「広告を積極的に活用し集客を図る」
上記のような取り組みは「消耗戦」です。
資金、人材、情報、設備に勝る大手の方に勝機があります。
でも、ついついやってしまうんですよね。。
そしてある時、気づくんです。
「こんな大変なのに何でお金が残らないの?」
従業員は悪くありません。
経営者の戦略のミスです。100%。
5-2.適切な戦略を実行すれば、局所では大手に勝てるから
「適切な戦略」であれば、大手に「局所では勝てます。」
・人口が少ない地域への出店
→1番になれば小さな洋菓子店はやっていける
・狭い営業エリアに注力し、顧客の細かい要望に応える
→大手はマニュアル化されていて柔軟性に欠ける為、機動力を高め、臨機応変な対応ができて地域で1番になれば狭い営業エリアでは大手に勝てます。
・商品ラインナップを減らし、重点商品を決めて注力する
→1つに商品を絞り、そこに経営資源を投下すれば、狭い営業エリアでは勝てる
簡単にいうと以下です。
「大手がやらないことをやる」
「大手ができないことをやる」
「大手が進出しない地域でやる」
です。とにかく「競争しない」ということです。
6.事例
私の事例で恐縮ですが簡単にご紹介します。
この10年、解説している戦略を進めてきました。
その中から1例をご紹介します。
以下を見て下さい。
オフィシャルサイトのTOPページです。
オンラインショップのTOPページです。
同じ商品が出ていると思います。
私のお店は1つの商品を重点商品にして10年同じことを続けてきています。
今では、年間10万枚を余裕で超える支持を頂けるようになりました!!
小さな洋菓子店にとっては充分な数です。
今はこんな感じです。
・市内食べログ1位
・国内2万店のうちTOP100に毎年選出中
・今期、従業員給料20%UP
・流動比率529%
・自己資本比率57%
※経営者であればこの数値の意味がわかると思います。
結果から見ても「この戦略は正しい」と言えるのではないでしょうか。
ちなみに私のお店の真隣は、年商200億を超える大手洋菓子店の本店です。
まとめ
小さな洋菓子店の経営戦略の全体像。
いかがでしたでしょうか?
こういう事は、製菓学校では当然ですが、勤務先でも教えて貰うことはまずないと思います。
このような戦略を「ランチェスター戦略」といいます。
古くからある経営戦略論です。
【経営の差別化】が重要だと最初に指摘したのは、ピーター・ドラッガー氏ですね。
1964年の書籍で言っています。
ピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、オーストリア・ウィーン生まれの経営学者。「現代経営学」あるいは「マネジメント」 の発明者。
世界的にもスーパー有名な方です。
ユニクロの柳井CEOの愛読書としても知られています。
今回の内容は小さな洋菓子店の経営にとても役立つはずです。
私も実践しています。
最近は「街の洋菓子店の廃業が過去最高を更新」とか、「街の洋菓子店の数は右肩下がり」とか、「近くの◯◯店、閉店したね。」とかネガティブな話題ばかりです。
やはり小さな洋菓子店の経営者が「経営」を学ぶことで未来は大きく変わって来ると私は思っています。
ぜひ、お役立て頂けると嬉しく思います!
※独立開業の全体像については以下をご覧下さい。
では!